日本刀の魅力

昨今密かに注目を集めているのが日本刀です。東京国立博物館や京都国立博物館を始め、様々な地域の博物館に収蔵されている日本刀ですが、その様々な地域に収蔵されている刀たちを集めて大きな展示をやっていたりもします。

大きな展示会に行かなくても、博物館の常設展示で見ることができる国宝に指定されている日本刀もあります。今の御時世、縁が薄いかと思われがちな日本刀ですが、実はそんなことはなく、見に行こうと思えば気軽に見ることができるものなのです。

日本刀は武器です。殺傷能力の高い武器です。しかし信仰の対象にもなっています。日本刀が出来上がるまでに宗教的な要素が絡んだお話があったり、童話のようなストーリが付随してくる日本刀がいくつもあります。

権威の象徴にもなってきました。歴史上の有名な人物が持っていた日本刀は皇室御物となっていたりもするのです。日本という歴史の中で、百年はもちろん、千年を超えてだいじに保存されてきた日本刀は過去の権威をも今に伝えてきているようです。

日本刀は武士の魂とも言われてきました。江戸時代以降の平和な世の中になると、竹光と言って、竹を削ったものを刀身としたものを腰に差していた、刀を質入れしてしまったけれど面子は保ちたい浪人がいたそうです。

そうまでして求められた日本刀。切れ味だけでなく、鞘や刀身自体にも求められた細工や飾り、独特の製法、刃紋などの美しさ、様々なものが要求された日本刀は、世界に類を見ない、日本独自の文化財となったのではないでしょうか。

日本人のみならず、外国のかたも魅了してやまない日本刀。その魅力は歴史、美しさ、秘められた妖しさ、そんなものが集積された結果ではないでしょうか。