「妖怪伝説」

童子切安綱をはじめ、妖怪退治弥妖が宿ったという伝説を持つ刀は多い。日本では刀が御神体として崇められることもあり、神聖な存在、神や妖に近い存在だと認識されていた。

<童子切安綱>どうじぎりやすつな正式名称・・・太刀銘安綱(名物童子切安綱)附 糸巻太刀梨地葵紋散蒔絵太刀箱作者・・・大原安綱「童子切」という名の由来は平安時代の武将・源頼光がこの刀を使い、酒吞童子という鬼を斬ったことからついたものだ。

鋭い切れ味を誇っていたとされ、豊臣秀吉や徳川家康などの天下人の手をへて、戦後に国宝第一号に指定されるに至った。つくられてから千年の月日が経過しているが、変わらぬ妖艶さを漂わせている。

地鉄の色は黒く、鋒の刃文(帽子)は棟側に穏やかにカーブしている。
鞘の部分に糸が巻かれている拵えを糸巻き太刀という。この拵えは江戸時代初期に制作されたものだ。